隣国デインから侵略を受けるクリミア王国。

突然の急襲に民たちは為す術もなく、クリミアは次々と
主要な都市を落とされてゆく。

国を守ろうと蜂起する民兵たち。
だが、軍事訓練すらまともに受けていない烏合の衆に
デイン兵の相手が務まるはずもなく、散り散りになった
民兵たちは次々と戦死、あるいは捕虜にされていく。

オマ村から民兵として志願したネ●ェニーもまた、
デインに敗れ捕虜となった者の1人であった。

共に戦った兵たちが次々と倒れていく中、
ネ●ェニーは「女性だから」という理由で命までは奪われず、
捕虜としての扱いを受ける事となる。

だが、それが彼女にとって幸運かどうかは、まだ分からない。


カントゥス城の地下牢へと連行されるネ●ェニー。
それを見たデイン兵たちから、下卑た歓声が沸き起こる。

この城の牢長は残忍な性格で、捕らえられたクリミア兵たちの
多くが拷問に耐えきれず命を落とし、他の者たちも家畜以下の
扱いを受けていた。

ネ●ェニーは、牢長の計らいにより専用の牢へと入れられ、
日に1度、沐浴をする事が許された。

他の捕虜に比べれば破格の扱いではある。
だが、捕虜である自分に、常に身体を清潔に保つよう命じる
意図とは何なのか。

その意図を想像するだけで、ネ●ェニーは身震いしてしまう。
正規の軍人でなければ傭兵でもない、一介の村娘が背負うには
あまりに過酷な重圧であった。


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